退職と引き換えに解決金を支払う場合と源泉徴収義務
従業員と交渉の結果、一定の金銭を支払って退職に応じてもらうことになった場合のいわゆる解決金は、税務上、退職所得と判断される可能性があります。
退職所得の場合、使用者は源泉徴収義務を負うことになります(役員又は使用人に対して退職手当等を支払うときには、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収して、原則として、翌月の10日までに納めなければなりません(所得税法199条)。一時所得ないし非課税所得と評価されれば源泉徴収義務は課されません)。
源泉徴収をしないまま従業員に支払ってしまった場合、不納付加算税や延滞税が課される可能性もあります。
解決金の金額について合意したあとに源泉徴収について説明すると、従業員が手取りが減るとして交渉が決裂してしまう可能性も出てきます。
解決金の交渉に当たり従業員に源泉徴収について説明をすることや、源泉徴収分を解決金の金額を上乗せする方法や、追徴課税を受けたときの処理を合意しておくという方法も考えられます。