受託者の相続についての整理
信託法56条1項1号は、受託者の死亡を信託の終了事由と定められていることから、受託者の地位は、受託者の相続人に承継されないことになります。
ただし、信託法60条は、新しく受託者が信託事務の処理をできるようになるまで受益者の利益が害されることのないように、受託者の相続人が信託財産の保管と信託事務の引継ぎに必要な行為をすることを義務付けている点には注意が必要です。
さらに、受託者は、取引により負った債務について信託財産を超えて責任を負うこと、受託者は無限責任を負うことが原則であることから、受託者の債務は、受託者の相続人に承継されることになります。